新卒一括採用って毎年クソクソ言われていますよね。僕も就職活動時はこの茶番劇が嫌で嫌でしょうがなかった。それでも茶番に付き合うことに決めて今も社会人をやっています。
今回はどうやったら新卒一括採用が廃止にできるのか自分なりに考えてみました。
1.既存大学の上位30パーセントを残して後は廃止。学生のモラトリアムもなし
まずは大学卒業というステータスを再興する必要があると思います。
今の時代、お金さえ出せばどこかの大学に入れてろくに勉強しないで卒業できる。
こんな状態だと企業も大卒から選べと言われてもどうやって選んだらいいか分からない。1 番安全策である学歴重視で選ばざるを得ません。
結果学歴で不利な学生は苦戦することになる。ならば大学卒業=スペシャリストだと社会的に認知されるまで大学生を絞ることが必要だと思います。
アメリカでもシンガポールでもそうですが、海外ではこの考えが当たり前となっています。
狭き門をくぐり4年間必死に勉強して専門性を身につけた人だけが学位を手にします。
だからもういっそ大学の数を現在の30%くらいにして、大学をスペシャリストを排出する場所、または研究者として生きていく人の為の施設に変える必要があると思います。
学業を修めない人は卒業できなくし、モラトリアムで遊びたいと思う人は大学に入れない。そんな海外では当たり前の状態に戻します。
2.職業訓練校の拡充と社会的認知と社会的ステータスの付与
大学に入れない人はどうするか。職業訓練校に行きましょう。
例えばドイツの就活についてこちらの記事で書いてくれている方がいます。ちょっとお借りします。
職業訓練校に行ったら分野別に自分のなりたい職の基礎を身に付けることができるようにします。
もちろんきちんと修めたら即戦力になるくらい。
成績つけることによって採用側は能力を確認できますし、職業訓練校卒業=即戦力というイメージが社会に認知される必要があると思います。
ちょっと外れますが、個人的に思っているのは会社の事務職の Excel のレベルがめちゃくちゃ低い事。
どれだけ無駄な作業しているのか…日本にいた頃、そんなのちょっと関数使って一発じゃんって思うことが良くありました。
職業訓練校でこういった部分までカバーし、普通の関数はもちろん、マクロ組めるまで学んだ人を当たり前のように輩出したら世の中の事務効率めちゃくちゃ上がると思いませんか?
日本全国事務効率化プロジェクトの発足です。
1 人あたり GDP を欧米並みに上げるキーポイントはここにある気がしています。
無駄な作業はとことん減らすような訓練を受けて社会に出る。相当会社にいらない人出てきそうですけどね。
そういった人は職業訓練校に入り直して別のスキルを身につけましょう。
3.部署別通年インターンの実施
海外では普通ですが、通常学生はインターンを通して会社のマナーを学び仕事の進め方を学びます。
そして能力が認められたらそのままその会社に入社します。
新卒一括採用のメリットの一つとして一斉にこういった社会人の基礎みたいなことを研修でカバーできることがあると思いますが、新卒一括採用を廃止する以上、各部署が責任を持ってインターン生を指導する土台、受け入れ体制が必要です。
各部署がインターンの応募性を面接し、獲得まで出来る権限を持つ必要があります。
4.部署別通年採用の実施
大学 → インターン → 採用のルートだけでなく、即戦力である職業訓練校卒業生の獲得についても通年で部署ごとに実施できるようにします。
今僕のいる会社ではシンガポールの現地スタッフをたくさん採用していますが、基本的に決定権は各部署各チームごとにあります。
各チームで面接をして、人事が給与面を交渉して終わり。毎月のように新しい人が入ってきます。
各部署が欲しい人材を自分で集めることが出来ますし、応募側は自分のやりたいと思った仕事に直接応募することが可能となります。
5.ジョブローテーションは廃止あるいは希望制に
新卒一括採用に支えられた日本企業の特徴にジョブローテーション制度があると思います。
異なる部署に数年ごとにローテーションしてゼネラリストを育成する。多方面に強い人を作るためですね。
でもこの制度が上記3、4の部署別通年採用を阻害する。ゼネラリストになりたいのならば社内公募制度で社内で行きたい部署から面接を受けて決定する。
人事が勝手に部署を移動させない制度の構築が必要です。
個々人はあくまで自分のやりたい仕事を中心に選び、その仕事を専門として生きていく。
そういう価値観の醸成がカギとなってくると思います。
6.転職へのイメージ改善
転職を心置きなく、義理とかチームに迷惑をかけるとか、世間体とか気にせずに転職できる風土を会社が持つことが重要です。
そうすると転職市場はさらに活気を持ち、新卒、中途関係なく労働市場から人材を確保しやすくなるので、上記3や4がさらに活きてくることになります。
日本企業って今でも辞めにくいですよね。雰囲気が。
新卒で入って研修とか色々やってもらっているので、どうしても会社に貢献しなければ見たいな忠義心みたいなのが養われてしまって、いざ辞める時に「本当に辞めていいのかな」なんて後ろめたい気持ちにさせられる。
会社に育ててもらったという気持ちを持つのではなく、会社は自分がステップアップするためにみんなで活用するものだという考えを持てる風土が出来上がれば、転職もしやすい。
みんながポジティブに自分のキャリアを第一に考え、会社という枠を超えて自分のキャリアアップを考えるようになることが必要だと思います。
そのためには会社の新入社員研修なんかやめて職業訓練校やインターンで学ぶようにする。1、2もここで重要となります。
7.部署単位で簡単に解雇できる制度
最後に、ここまできたら実力重視の世界。
使えない人は解雇して労働市場から優秀な人材を取れるようにする必要があります。
今の日本は必要以上に労働者が守られていて、簡単には解雇できない状態です。
使えない人は職業訓練校に行って必要なスキルを得てからもう一度トライしましょう。
それがフェアな世界だと思います。そして何度でもやり直しがきく世界が必要です。
最後に
どうでしょうか。ここまできてもう皆さんわかりましたね。
こんなの絶対に叶いっこない。今いる使えない中堅社員、努力しなくない変化を受け入れたくない社員、モラトリアムを楽しみたい学生、そして定年を間近に控えている役職者が一斉に反対しそうです。
自分の居場所がなくなるので。
年金問題と一緒です。今定年になろうとする人は年金もらえるので、将来もらえない人のことを考えて今改革する人がいない。
シルバーデモクラシーによって変革は圧殺されます。
なので、今後も新卒一括採用は十数年はなくならないと思います。
嫌だと思ったら海外に出ましょう。