2016, Oct 10Update: 2020, Nov 02

多国籍チームで働いて思う、日本人の個々人の生産性は低くない

アジアでいろんな国の人と一緒に働いて感じた、生産性の話について書きました。

生産性の話が話題になっているので、少し書いてみたくなりました。

案件ベースで進む仕事をしているため、そう言った働き方でない仕事には、当てはまらない部分もあるかと思います。それでも、日本人と外国の人に性能差はないという話。

僕はシンガポールに駐在員としてきています。

日系の会社に勤めているので、現地では日本のスタイルが残っているものの、東南アジアから集まってきた優秀な人が少しずつルールを変えていっていることもあって、僕自身割と働きやすい職場かなと思います。

個人の性能差は変わらない

そんなシンガポールでのアジア人の働きぶりを観察していますが、性能差は日本人と変わらないと思います

一つのタスクを与えた時に出てくる成果物の質であったり、完成させるまでにかかる時間であったりというのは差はありません。

あるのは日本人か外国人かという切り分けではなくて、普通の個人差です。

じゃあ生産性を落としているのは誰かというとそこはマネジメントの差じゃないかなと思います。

僕の上司はシンガポール人ですが、よく分からない仕事は降ってきません。

必要な資料だけ作るし、必要じゃない仕事はどんどん減っていきます。

打ち合わせに関しても違います。

日本にいたら上席への進捗報告のための報告資料の資料みたいなものを作っていたこともありました。

週に何回打ち合わせするんだよってくらい打ち合わせをしていました。

その大半が出ても出なくてもいいものばかり。

シンガポールに来てまず驚いたのが、そういった打ち合わせが一切なくなったこと。

週に 1 回 1 時間だけ打ち合わせがあるだけで、それ以外は定例打ち合わせがなくなりました。

おかげで日本で毎日定時以降にやっていた仕事が日中にできるようになり、終電で帰らなくて良くなりました。

同じ、あるいはそれ以上の効率になっていると思います。

進捗管理はツールに入力するようになっていて、上司はツールから各々の進捗を把握することができます。

また、すべてのメールは上司を CC に入れているので、上司はメールを見ていればどこで詰まっているのかを把握することができます。

上司の仕事は基本的に、メールを追ってやばそうな雰囲気になってきたら助言するというスタイルです。

もちろんこちらから相談しに行くこともあります。

それでも上司は全体像をすでに把握しているので1から説明する必要はほとんどありません。

僕のいるチームは全部で 10 人ほどですが、上司は常に複数走っている案件がどんな状況なのかざっくり抑えています。

担当者一人一人が出している成果物の量は、現地人でも日本人でもほとんど同じ。

また、日本にいた時とシンガポールに来てからでもほとんど同じ。

異なるのは労働時間です。

圧倒的に減りました。

同じ成果を出しているのに。

これが生産性というやつか。

ようはマネジメントが本当にいらないものをいらないと捨てる力があって、進捗報告に頼らなくても個々の案件をざっくり見通せる仕組みがちゃんとできていれば、スピードは上がるんだと思います。

マネジメントには本来の仕事をしてほしい

日本での上司の働き方って、毎日毎日、担当者の入退出の時間をチェックして、残業時間をチェックして、週次打ち合わせに出席して、それぞれの進捗を聞いて、そんなことばっかりに映っていまいた。

マネジメントに能動性を感じないんですよね。

週次進捗打ち合わせとか、ある種の「逃げ」だと思っています。

もっと個々の案件を毎日追っていればそんな打ち合わせなんていらないですし、残業時間のチェックとか、その前に担当者が何でつまづいているのか、どうして残っているのか本当の原因を見極めるのに使ったらいいんじゃないかと。

「そんなの全部追えるはずないじゃないか」という反論には「無駄なことを見つけて止めれば追えるようになんじゃない?」と返しておきます。

担当者と案件を始める前に、背景とゴールとマイルストーンを共有して、それに沿って進んでいるかを確認して、間違いそうになったら助言する。

そんなレベルのことが出来ていない人がいました。

上司も初めて上司になって、いったいどういう風にマネジメントしたらいいのか分からないのかもしれませんが、わからないのであればそこに問題があります。

マネジメントの教育が最も生産性を上げる一手です。

最後に

いつかは終わる駐在員生活ですが、日本に戻りたくないなぁ。